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ゼロサムゲームとは、参加者の利益と損失を合計するとゼロになる仕組みのことです。FXの説明でも使われますが、「誰を参加者に含めるか」「何の損益を数えるか」をそろえないと誤解が生まれます。
ゼロサムゲームを簡単な数字で考える
説明のため、AさんとBさんが、同じ条件の為替の差額を受け払いする契約を結んだとします。為替変動によってAさんが1,000円受け取り、Bさんが1,000円支払うなら、両者の合計は0円。これがゼロサムの基本的なイメージです。
ここでは取引コスト、税金、契約不履行などを除いています。実際の店頭FXには取引業者が介在し、業者が別の市場でリスクを調整する場合もあります。自分の利益が、そのまま特定の別の個人トレーダーの損失だと特定できるわけではありません。
視点1:取引コストを含めるとどうなる?
先ほどの例で、AさんとBさんがそれぞれ100円の手数料を外部へ支払ったとします。Aさんの手取りは+900円、Bさんは−1,100円で、2人の合計は−200円です。取引する側の集団に着目すると、こうした状態を「マイナスサム」と表現できます。
ただし、手数料を受け取った側まで含めると集計範囲が変わります。「お金が消える」という意味ではありません。実際のFXでは、明示された手数料だけでなく売値と買値の差であるスプレッドも損益に影響します。SMBC日興証券「FXの収益」
スワップポイントにも受け取りと支払いがあり、条件は変動します。「手数料無料」「スワップを受け取れる」だけで有利さを決めず、最終的な損益で判断しましょう。
視点2:為替取引の価値までゼロになる?
損益の受け払いと、取引をする目的は別です。輸入企業が為替予約で将来の支払額を固める場合、後から見れば予約しない方が安かったとしても、仕入れ予算の見通しを保てるという意味があります。
BISは、デリバティブがリスクを全体として消すのではなく、参加者の間で分け合う役割を持つと説明しています。金融契約の損益が相殺されることと、貿易や企業活動にとって価値がないことは同じではありません。BIS「International finance through the lens of BIS statistics: derivatives markets」
視点3:ゼロサムなら勝率は50%?
損益の合計がゼロでも、人数の半分が勝つとは限りません。1人が大きく負けて複数人が小さく勝つ場合もあり、各人の勝率が50%になるわけでもありません。
例えば10回の取引で6回勝ち、1回の利益が500円、4回の負けが各1,000円なら、合計は3,000円−4,000円=−1,000円。勝率60%でも、コストを差し引く前から損失です。これは計算例で、将来の成績を示すものではありません。
初心者が記録しておきたいこと
- 勝率だけでなく、平均利益と平均損失を記録する。
- スプレッド、手数料、スワップを含めた実際の損益を確認する。
- 取り返すために取引回数やロットを増やさず、1回の許容損失を先に決める。
ゼロサムゲームという言葉を「絶対に勝てない」「誰かを出し抜けばよい」と受け取る必要はありません。自分の取引が、コスト込みでどのような結果になっているかを確認するきっかけにしましょう。
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本記事は学習のための一般的な情報です。特定の取引や利益を保証するものではありません。アイキャッチは内容をイメージしたイラストで、実際の相場データではありません。

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